長期にわたる中国の不透明な国防費の増大と軍備の増強に裏打ちされた西太平洋における中国の進出、生き残りをかける北朝鮮の傍若無人な行動は、東アジアのほかの国や地域、特に日本、台湾および韓国にとって死活的な安全保障環境を呈している。 多くの日本国民、そしてその国民が選んだ政治家の多くは、日本の安全保障について無関心である。 マニフェストだのアジェンダだの、聞こえの良い目先の利益には関心があるが、将来、国の主権と安全をいかに確保し、日本をどのような国家にしようとしているのかについて真剣な議論がない。 中華思想を背景に力の及ぶところが国境線と考えている中国は、他国の領土を自国の領土とする国内法をまず制定し、力の空白地帯があれば軍事力を背景にその領土に中国領土としての既成事実を作る。 このような国に対しては国家として常時必死に努力し、軍事的行動をも辞さない態度で臨まない限り主権は守れない。 日本は、1
