日本物理学会が開いた企業説明会には、多くの若手研究者が参加した=昨年11月、神戸大、上野写す 若手の研究者と企業を引き合わせ、インターンシップで就職や産学連携につなげる国の事業が間もなく3年目を迎える。就職先が見つからず立場が不安定な「博士」に、企業での活躍の場を与えるのが狙いだが、成果はこれからだ。科学予算に厳しい風が吹くなか、若手研究者をどう育て、どう生かすのか。事業も正念場を迎えている。(上野創) ■公費負担で企業研修 「大学では、製品化を意識しながら研究する機会がなかったので、貴重な体験でした。企業で研究する生活のイメージを持つことができ、この会社で働きたいと思いました」 早稲田大で応用化学を専攻した博士後期課程3年の伊部武史さん(27)は昨年1〜3月、化学製品会社(東京)の欧州の研究所で働いた経験を振り返った。その後、同社から内定をもらったという。 利用したのは200