ハーブ・スパイスは漢方薬で「気剤」として位置付けられています。五行五味の肺金辛の分類になります。気とは、体の構成成分の一つである血や水を運ぶ働きをするもので死体と生体を峻別する機能ともいえます。気の巡りが順調に行われないと、気滞、気鬱気逆などの病証が発生し、それに伴い血行障害や痛みがおこり、気が不足すると気虚による血滞や水滞が起こります。それらの不調の改善に用いる薬を気剤といいます。漢方薬に限らず、新薬でも食物でも気剤の働きをするものがある訳です。 日本は四季折々の食材が豊富にあり、こと食物に関しては資源大国だと言っても過言ではないでしょう。肉食のため、多様なスパイスを必要としてきた民族とは幾らか違った様相を呈しています。日本でよく使われるのは、生姜、山椒、芥子、わさび、唐がらし、麻の実、柚子、胡麻、クチナシ、ラッキョウ.. また、あしらいの野菜として、しその葉ミョウガ、ねぎ、せり、ミツバ