社説 「暴言」の本質 沖縄蔑視の構造化を危惧2011年12月2日 Tweet 米軍普天間飛行場移設計画の環境アセスメント手続きを女性暴行に例えて説明した田中聡前沖縄防衛局長の暴言は、著しく品位と人権感覚の欠如した重大事件として歴史に刻まれるだろう。 高級官僚の暴言としては、県民には1994年9月9日の宝珠山昇防衛施設庁長官が県民に対し「基地との共生、共存」を求めた発言が印象に残る。 政権与党の社会党が日米安保反対から容認へ路線転換したことを踏まえた宝珠山発言は当時「官僚の傲慢(ごうまん)な発言」と受け止められた。県民を侮るような物言いという点で二つの暴言は通底する。 しかし、より悪質なのは今回の暴言だ。女性や県民を陵辱の対象と見なすかのような認識。軍隊が住民を守らなかった沖縄戦の教訓には目もくれずに、400年前の薩摩侵攻を琉球に軍がいなかったから攻められたとし「基地のない、平和な島