3ヶ月以上前に辻元氏が「感情を捨て、冷静な議論をしよう」というタイトルで過激な記事をアゴラに投稿し、物議をかもしました。問題の段落を要約すると、人類は自然淘汰の影響を受けなくなったため遺伝的劣化が進み、いずれ滅亡を引き起こすような大問題が起こりうると主張しているのです。 これは生命科学系の学科で真面目に生物学を勉強した者であればすぐわかる間違いであり、直ちにアゴラで反論記事が出るのではないかと密かに期待していました。しかし、そのような記事が出ることもなく当の本人はデジタル教科書を巡る不毛な論争に奔走し、あの問題記事さえ忘れ去られようとしています。 当人らが忘れた頃に、中途半端な生物知識を持った政治家や官僚が偶然あれを読み、真に受けて暴走するようなことは絶対にあってはなりません。本稿では人類の遺伝的劣化への過剰な煽り記事に対し、現代生物学の知見を以ってして反駁することにします。 r戦略とK戦