開店前に仕込みをする「出世酒場 大統領」の大将、沢崎誠さん(左)。「これだけ手間をかけて仕込みをしているのに、勝手に串から肉を抜く客がいるから怒っているんだよね」と語る=東京都港区新橋で2024年12月11日、中嶋真希撮影 焼き鳥を串から外すか、否か。たびたび議論になる飲み会の作法だ。 「みんなに行き渡るよう、外して取り分けたい」という気遣いによるものから、「串にかぶりついて食べるのは下品」という価値観まであるらしい。 そんな中、「串を抜くたびに値段が上がる」と警告する焼き鳥屋が東京・新橋にある。冗談かと思ったら、本気らしい。そこまでするのには、理由があった。【中嶋真希】 「抜くなら焼き肉屋へ」 「串から抜かずに食べてください」 身のプリッとしたレバーが運ばれてくると、店員から念を押された。壁には、「串をぬくなら焼肉屋へ行け!」と書かれたポスターが張ってあった。その下には「抜くたび値段が上