小中学校は11年度に新学習指導要領に全面移行するが、多くの学校は前倒し実施を始めている。新要領は「ゆとり」を見直し、授業時間を増やし学習量を復活させたと注目されたが、もう一つ大きな特徴がある。全教科で「言語力」育成を求めたことだ。コミュニケーション力だ。 2000年代に入り、高校1年生対象の経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)で、日本は続けて順位を下げ、活用力や読解力に問題があると指摘された。これが新要領に強い影響を与えた。筋道立てた説明や受け答え、討論などをする力は家庭や社会のありようにも根ざし、学校教育にすべてがかかるものではない。しかし、これによって、一方的に知識を授けることになりがちだった学校の授業が大きく変わる可能性がある。 新要領は教科学習でどんなことを通じ言語力育成を考えているのか。例えば、小学校の算数では数、式、図を用いて考え、説明させる。理科では推