イラクから帰国しました。前回のコラムで、イラクの猛暑と停電について取り上げました。日本に戻ってみれば、日本の暑さは、なんと肌にやさしいことか。湿度が高く、蒸し暑いとはいえ、砂漠から吹きつける強烈な熱風に比べれば、なんの、なんの、穏やかなものです。気候・風土が人々の気質に大きな影響を与えることを論じた和辻哲郎を思い出します。 さて、海外では大きなニュースとして扱われながら、日本国内ではほとんどニュースにならない。こんなことが、よくあります。マードック帝国が危機に立っているニュースも、そのひとつでしょう。 メディア王ルパート・マードックが統治するニューズ・コーポレーション傘下のイギリスの大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」が、取材にあたって盗聴を繰り返していたことが判明し、「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」は、7月7日、廃刊を発表しました。 この新聞は、誘拐殺人事件の被害者の少女の携帯電話の伝