「やけど虫」による線状皮膚炎は、線を引いたような発疹や水ぶくれ、やけどのような激しい痛みが特徴(女性提供) 「庭で花火をした後、太ももに発疹ができてひどく痛みます」。福岡県直方市の女性(40)から、西日本新聞社「あなたの特命取材班」にそんな声が届いた。普通の虫刺されとは違うという。コロナ禍の夏、庭やキャンプ場など野外で3密を避けながらレジャーを楽しむ人は少なくない。謎の炎症の正体は-。 【写真】「やけど虫」の標本。体液には有害成分を含む 女性は8月初旬、子ども4人と一緒に庭で花火をした。翌日、右太ももに10センチほど線を引いたように発疹や水ぶくれのような跡ができた。「やけどのような激しい痛みが数日続き、動くのもつらかった」。花火によるやけどや、虫に刺されたような記憶はない。 皮膚科を受診すると、線状皮膚炎と診断された。炎症を引き起こした「犯人」は「アオバアリガタハネカクシ」という昆虫だった