労働系女子マンガ論! 第8回 『東京ラブストーリー』柴門ふみ 〜「カンチ、セックスしよ!」の向こう側にあるもの (後編) (2013/9/27) (前編はこちら) カンチというフィルターを通してしか 東京と関われないリカ こうして、二人の関係は新たな局面に突入します。当然のことながら、リカの仕事/東京との向き合い方にも変化が生じます。公領域では「東京で働く」ために引き続きカンチが必要だったでしょうし、私領域では「東京で生きていく」ためにカンチが必要になってゆく……カンチというフィルターを通してしか、リカは東京と関われなくなっていきます。 そして、和賀事務所が立ちゆかなくなり社長の取り計らいで「二ツ橋産業」という大手企業にリカとカンチが転職すると、リカを取り巻く状況はますます厳しいものになっていきます。会社が大きい分、守らなくてはならないルールとマナーが増えていき、リカの野生児っぷりを個性と
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