大正十二年(一九二三)九月一日に帝都東京を襲った関東大震災の半年後、新たな東京を作るための区画整理の認可が降り、大正十三年三月二七日、整理地区が告示された。その発表とともに、東京市長(東京府知事が現在の東京都知事にあたり、その下で東京十五区を統括する立場にあたる)永田秀次郎は「市民諸君に告ぐ」と題した演説を行った。 「市民諸君に告ぐ」 市民諸君 我々東京市民は今やいよいよ区画整理の実行にとりかからなければならぬ時となりました。 第一に我々が考えなければならぬことは、この事業は実に我々市民自身がなさなければならぬ事業であります。決して他人の仕事でもなく、また政府に打ち任せて知らぬふりをしているべき仕事ではない。それ故にこの事業ばかりは我々はこれを他人の仕事として、苦情をいったり批評をしたりしてはいられませぬ。 我々は何としても昨年九月の大震火災によって受けた苦痛を忘れることは出来ない。父母兄
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