本稿の目的は、映画史的な観点から東映動画(1956年設立し後に東映アニメーションへ改名)に関する分析を行うことである。本稿は、序論、10章の本論、結論を含む全12章からなっている。序論では東映動画の設立に関わるデータを摘示し、東映動画と日動社との関係を記述することで、そこからもたらされた問題を提起する。次の本論では、東映動画の親会社であり同社より5年前に設立された東映が戦後の日本映画において果たした役割に言及し、さらに東映の前身である東横映画が日本映画史において果たした役割を議論する。特に、他の映画社とは違って東横映画は開発部署を設けていたことに焦点を当てる。東横映画の開発部署における初期の主な業務は巡回上映だったが、後に16ミリ教育映画の制作・配給・上映へと拡大し、その中にはアニメーション映画も含まれていた。それらの短編アニメーションが東映の社長である大川氏の主導で東映動画へつながったの
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