アカデミー賞に挑む『Black Box Diaries』 アメリカの本家アカデミー賞の発表が3月2日(日本時間3月3日)に迫るなか、日本では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた伊藤詩織監督の『Black Box Diaries』に大きな注目が集まっている。この作品は、2015年に伊藤氏がTBSワシントン支局長(当時)・山口敬之氏から受けた性被害をモチーフとしている。これが刑事事件化されなかった経緯や、事実が認められて民事裁判で勝訴するまでの過程が描かれている。 タイトルに「Diaries(日記)」とあるように、その切り口はかなり主観的だ。事件の概要を網羅的に語るのではなく、あくまでも監督本人の視点からこの問題が描かれている。 しかしアカデミー賞の発表を目前に控え、この作品が大きな議論を呼んでいる。 問題となっているのは、作中の複数の映像が許諾なく使われていることへの批判だ。しかもその批
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