(1)ダメダメな読書感想文 セリヌンティウスが刑場いっぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴ったとき、メロスはどう思ったのだろうか。僕は、メロスはそんなに痛くないと思ったと思う。なぜかというと、メロスはそれまで一生懸命走ってきて、すごい濁流になっている川を満身の力を腕にこめて渡って、王の命令で待ち伏せしていた山賊を殴り倒して走ったんだけど、でも疲れてどうでもいいと思って、ぐったり横になって寝ちゃったりしたんだけど、でもやっぱり思い直して、どんどん走って、頭を空っぽにして走って、ついに間にあって、よかった、と思っているからだ。これが本当の友情だと思う。暴君ディオニスが感動して心をいれかえたのも当然だと思う。こんな友情を感じることができるメロスやセリヌンティウスのような友人を僕も持ちたいと思う。 …などというのが、いわゆる、ダメな読書感想文である。 ダメである。 いや、もうホントにダメダメで