ジャニーズ事務所での大規模な児童の性被害が明るみに出たことに、ファンダム(ファンの共同体)が揺れている。なぜメディアも社会も性被害を見過ごしてきたのか、という重要な問題に光が当たる一方で、一部にはアイドル文化そのものを批判したり、女性ファンに責任を転嫁したりするような言説もある。ジャニーズに代表されるような男性アイドルをめでる文化というのは女性にとってどのような意味を持ち、ファンダムは社会にどう受けとめられてきたのか。そして、ファンのあるべき姿とは。東アジアのアイドル文化に詳しい豪州のマッコーリー大学のトーマス・ボーディネット上級研究員(ジェンダー研究)に聞いた。 「ジャパニーズ・プロブレム」なのか――専門はジェンダー研究ですが、自身も長年、ジャニーズを含めた東アジアのアイドルのファンだそうですね 「大学で日本語を勉強していた時、友達にw-inds.を紹介されて日本のアイドルの存在を知りま