『その犬の歩むところ (文春文庫)』 テラン,ボストン,Teran,Boston,俊樹, 田口 文藝春秋 902円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『神は銃弾』『音もなく少女は』といった傑作で日本で多くのファンを獲得しているボストン・テラン。世界を満たす暴力と理不尽を、カルト教団と戦う父親と傷ついた女性の二人を苛烈な暴力を通じて、あるいは世界との戦いを決意した少女の姿を静かに描く筆致によって描きつづけてきたテランだが、その新作、『その犬の歩むところ』が日本で刊行される。アメリカのさまざまな場所で、降りかかった不幸や災いに立ち向かう男女と、そのそばに寄り添う一匹の犬の物語である。『音もなく少女は』に通じる静かな物語だが、テランらしい詩情と、神話的な語りの横溢した傑作に仕上がっている。 しかしボストン・テランという作家の実像には謎が多い