東京理科大の中井泉教授(分析化学)らの研究グループは、犯行現場の推定や食品の産地偽装の解明などに応用できる全国の土砂データベースを開発した。 全国3024か所の土砂の特徴を分析・蓄積しており、捜査機関が遺留品の靴に付着した土砂などと照合することで、捜査対象の絞り込みを期待できるという。 土砂は、小さな鉱物が集まってできており、地域ごとに組成が異なる。とくに重い鉱物や元素は微量であるため、濃度などを調べると地域を特定できる。 研究グループは大型放射光施設「 SPring ( スプリング ) ―8」(兵庫県)を使い、全国3024か所の河川堆積物に含まれる重鉱物22種、重元素20種の濃度や含有率を解析した。ためしに静岡県内の2か所で採取した試料をデータベースと照合したところ、それぞれ23か所と137か所の地域の土砂と、特徴が似ているところまで絞り込めた。