男の育休、制度あっても…「この子が大きくなったとき、父親が育休をとってたって知ったらどう思うかな」。IT企業の男性は少しうれしそうに言った 【高橋末菜、岡林佐和】仕事を終え、30代の国家公務員の男性は、地下鉄の構内を小走りしながら腕時計を見た。午後10時過ぎ。東京都内の自宅には、妻と生まれたばかりの長男。最近、寝かしつけてもよく泣いて起きる。今ごろ妻はいらだっているはずだ。 今年春、2カ月の育児休業(育休)をとった。1年とりたかったが、上司は「せいぜい1、2週間だろ。何カ月もいないのは困る」と反対した。復帰し、短時間勤務(時短)にしたいと相談すると、「男が時短なんてありえない」。今は相変わらず残業続きだ。 妻は留学中に知り合った外国人。日本語はできるが初めての子育て。心配も多い。研究者の卵で、早く仕事に復帰したいという。なにより、「育児は男女が公平に」が常識。夫の育休は自然な流れだった。出