アメリカの郊外住宅地のアーキタイプ、レヴィッタウン 「Get off my lawn(わしの芝生から立ち退け)!」 映画『グラン・トリノ』で、ライフルを構えたクリント・イーストウッドがチンピラたちに怒鳴った時、アメリカの映画館では爆笑が起こった。 なんで? アメリカ人に聞いてみると、あのセリフは頑固ジジイが庭に入って来た近所の悪ガキを叱る時の常套句だそうだ。昔、日本にもいたでしょ。子供嫌いのジイさん。野球のボールがそのジイさんの庭に落ちたりすると怖くて入れないわけ。 でも、アメリカの場合、芝生にはもっと重要な意味がある。アメリカン・ドリームの象徴なのだ。 自分が生まれて初めて芝生を持ったのは2007年。住宅バブルのピークで家を買ったのだから大馬鹿だったが、それは置いといて、感慨深かったのは、前庭の芝生に立った時だ。 アメリカ映画やテレビで観た一戸建てには必ず前庭に芝生がついていた。わずか1