(英エコノミスト誌 2010年2月27日号) 世界最大の自動車メーカーの苦悩は、ライバル企業への警鐘だ。 豊田章男社長を含むトヨタ自動車の幹部が先日、米国議会で拷問者たちの前で身もだえしていた時、ライバルの自動車メーカーが公の場で悦に入ることはなかった。 世界中で安全性の問題に絡むリコール(回収・無償修理)が相次いだ後、今審判を受けているのはトヨタだが、ライバル企業は、次は自分たちの番かもしれないということが分かり過ぎるほど分かっている。 何しろ、トヨタの「リーン生産」システムを手本にして自社の製造管理とサプライチェーンマネジメントを構築しなかった大手自動車メーカーはただの1社もないからだ。 とはいえ、自動車業界内で広く受け入れられている考え方は、トヨタはその災難の大部分を自ら招いた張本人であるというものだ。 豊田社長は2月24日、下院監視・政府改革委員会への証言で、会社の成長を追求するあ