今年の大相撲初場所は、異常な人気で両国国技館は沸きに沸いた。そればかりか、テレビ中継でも異常に高い視聴率を記録した。 一体、何が起こったのか――。月並みな言い方をすれば、人気沸騰の最大要因は、3場所連続休場した横綱・朝青龍が予想を覆して優勝し、見事な復活劇を見せつけたこと、とでもいえようか。 初場所の異常人気を 生み出した“野次馬根性” なにしろ、メディアはこぞって、右ひじの故障を抱えていたことで場所前には、「引退危機」と朝青龍の引退の可能性を示唆するような報道を行なった。また、多くの親方連中をはじめ相撲評論家にいたるまで、朝青龍の復活について懐疑的な見方をしていた。 ところが朝青龍は、そうした見方を嘲笑するかのように、あれよあれよという間に勝ち進み、無敗で千秋楽を迎え、白鵬との優勝決定戦を制して見事に復活した。 メディアは、加熱報道を通して、「スキャンダルメーカー・朝青龍」のイメージを作