今年は何度もこのコラムでも書いてきたが、香港が熱い。 9月9日日曜日、7月に4代目の行政長官が就任したばかりの香港で主権返還以来5回目となる立法評議会(立法機関)議員選挙が行われた。開票の結果、投票率は53%、投票者数は183万人と返還以来最高を記録した。 香港の選挙制度では、有権者は事前に投票者登録を済ます必要がある。このため、選挙のたびごとに有効有権者の母数は変化するが、これまで最高だった前々回2004年は178万人が投票、投票率は55.64%で歴代最高となった。この投票率の記録は今も破られていないが、投票者数は今年が大きく躍進した。 04年の選挙の高投票率は、03年に中国で感染が拡大していたにもかかわらず、政府が実情を隠していたSARS(重症急性呼吸器症候群)が、香港に何も知らされないまま持ち込まれて大流行し、観光や貿易などを柱とした経済が大打撃を受けて市民の不満を反映したものだった