2025年大阪・関西万博を巡り、会場準備の遅れなどの問題が次々と浮上している。 隣の京都・滋賀を含めて国民の関心も高まっているとは言えず、半世紀前の大阪万博の熱気には遠く及ばない。 同年4月の開幕まで2年を切ったが、間に合わせようと無理を強いれば、さらにひずみを広げかねない。 万博で国威高揚を図る時代ではない。延期も視野に、計画を見直すべきではないか。 象徴的なのが、海外の約50カ国・地域が自前で建設するパビリオンだろう。趣向を凝らした展示の舞台として万博を彩る予定だが、現時点で大阪市への許可申請は1件もない。 受注側の国内ゼネコン各社との工事契約締結が進まないのが要因という。建設業界の慢性的な人手不足に資材価格の高騰も加わり、協議が滞っている。 24年7月中に建設を終える計画だったが、準備が開幕に間に合わない可能性もある。このため万博を運営する日本国際博覧会協会は、建設工事の発注を代行す
町の歴史を記した「町史」を作るために使用し個人が所有する史料が散逸していないか、その所在を確認する今年度初の調査が、松島町で18日から始まりました。 松島町では、町の歴史を記した「町史」を制作してからおよそ30年が経過し、そのもとになった個人が所有する歴史資料が散逸していないかどうか、昨年度から所在を確認する調査が進められています。 今年度の調査は18日から始まり、町の職員と東北大学の歴史の専門家、あわせて3人が、史料を保存している個人の家を訪ねました。 この家では、江戸時代の松島のことや地域の災害を記した史料、およそ70件を保存していて、このうち伊達家の4代藩主・綱村が松島を訪れた際の記述などが町史に活用されています。 町の職員は、史料を見ながら保存状況を確認し、持ち主に対して保存する上で困ったことはないかや、近年の地震や水害で被害にあっていないかなど、聞き取っていました。 松島町では、
わずか2年で新店舗 6月初旬。古書店「喜多の園」が移転したという知らせを聞き、新店舗を訪れた。 「喜多の園」は、このシリーズの初回で紹介した。京都の観光名所として知られる「哲学の道」にできた異色の古書店だった。 「哲学の道」に古書店 老舗茶舗がなぜ? 古書店の新世界 #1 もともと長野県の善光寺門前で江戸末期から営業していた茶舗「喜多の園」の6代目である小笠原康博さん(64)が、昔からの夢をかなえようと、本業はスタッフに任せ、京都に移り住んで2021年5月に開いた。5坪ほどのスペースを借りて、蔵書の一部を販売していた。 「ここに移ったのは5月末で、営業は6月に入ってからぼちぼち始めてます」 ということは、「哲学の道」で営業を始めてわずか2年で移転したことになる。 至近距離でなぜ移転? しかも、「新天地」は以前の店から西へ約2キロ。歩いて10分足らずという近距離に、なぜわざわざ移転したのだろ
「戦争を起こす人間に対して、本気で怒れ」 父は穏やかに言った。 外でけんかをして、不機嫌な顔をした、小学生の私に対して。 「世の中には、つまらない人間はいる。 だけど、本当に悪い人間は、戦争を起こすヤツだ。 戦争は、ほんの一握りの人間が起こす。 そして、ものすごい数の人が不幸になる」 年齢を重ねた私は、このところ父のことばを思い出すようになった。 きっと父は、何度も何度も繰り返して、私に伝えたのだろう。 その意味が分かるようになったと感じたのは、ごく最近のことだが… 父の名は、「四國五郎」。 広島で、膨大な量の絵と詩の作品を生み出し続けた「詩画人」。 生涯をかけて、戦争を憎み、平和の尊さを伝えようとした、そんな人間だ。 日ざしの強い駐車場で、教えられた番号に電話をかけると、「もう、そこまで来てますよ」と告げられた。 辺りをキョロキョロと見まわすと、優しそうな風貌の男性が携帯電話から耳を離し
7月19日、第67回報道関係者との懇談会を開催しました。同懇談会は、日文研の研究活動や最新の成果、重点的取り組みなどを広く社会に情報発信し、理解を深めてもらうことを目的に定期的に開催しています。第61回目からZOOM併用にて開催しています。 今回は、新聞社、テレビ局、出版社、地域広報等11機関の関係者と所内教職員の計53名(うち、ZOOMで14名)の参加がありました。 はじめに、司会の安井教授より、4月以降に着任した6名の外国人研究員の紹介と、4月から12月にかけての活動について紹介がありました。 次に、磯前教授より、直近の日文研出版物が紹介され、続いて、松田教授ならびに倉本教授が自身の研究成果である出版物の魅力について語りました。 続いて、光平助教(総合情報発信室)より、7月に着任した総合情報発信室の人文知コミュニケーター駒居特任助教及び4月から進めている同室の事業について紹介がありまし
LIFE STYLE | 2018/04/25 「無料マーケティング」としての図書館の存在意義を認めたアメリカの出版社【連載】幻想と創造の大国、アメリカ(1) Photo By Shutterstock 渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott エッセイスト... 渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott エッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者 兵庫県生まれ。多くの職を体験し、東京で外資系医療用装具会社勤務後、香港を経て1995年よりアメリカに移住。2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。最新刊『トラン
日本語TV放送、30年余の歴史に幕 ネット普及で契約半減―貴重なメディア惜しむ声・欧州 2023年10月29日06時59分配信 ロンドンの自宅で、日本語テレビ放送JSTVの天気予報を見る葛西順子さん=12日 【ロンドン時事】欧州に住む日本人に30年以上にわたり親しまれてきた日本語テレビ放送が、10月末でその歴史に幕を下ろす。インターネットがない時代には、欧州に住む日本企業の駐在員や永住者にとって、日本の番組を見ることができる貴重なメディアだっただけに、「寂しくなる」などと放送終了を惜しむ声が相次いでいる。 4年ぶり「ジャパン祭り」開催 とにかく明るい安村さんも登場―ロンドン 放送を終えるのは、ロンドンに本社を置くNHKコスモメディアヨーロッパが運営するJSTV。1990年に試験放送を開始し、92年1月から有料放送に移行した。 JSTVの「売り」は、日本の番組をリアルタイムで見られること。当
暑い。セミの声も、熱い。 一体何種類いるのでしょうか。ジージー、シャーシャー、ニーニー、シュワシュワ、ミンミン……今日も朝から大合唱。わが家の周りは木が多いこともあってセミ人口が(という言い方が正しいのかどうかわかりませんが)かなり過密のようです。夕方から夜にかけては、地中から這い出てきた彼らが地面を歩いているため、足元に注意しなくてはなりません。昨晩も小柄な子ゼミが、羽化の場所を求め歩道を横切ろうとしていたため持っていたメモ帳ですくい、植え込みの方へ移しました。前は「抜け殻が動いている!」と、いちいちぎょっとしていたのですが、最近は慣れたものです。 京都盆地は24時間、むーんという熱気に包まれています。熱せられた地面は冷めることなく、連日の熱帯夜は当たり前。半年前、10年に1度とも言われる記録的な大寒波が京都を襲っていたのが嘘みたい。ついこのあいだ、って感じなのですが。 そう、今回は実は
Japanese Mothers and Obentos: The Lunchbox as Ideological State Apparatus という文献、アルチュセールの国家のイデオロギー装置について調べている時に見つけました。日本で母親業をするものとして、とても面白かったので、日本語にして響いたポイントをメモ的に書いてみました。この文献を書いたアリソン(Anne Allison)は、文化人類学者で日本について研究、子どもを日本(東京)の保育園に通わせて、日本独特のお弁当に興味を持ったそうです。※最後の感想以外は、上記リンクのアリソンの文献によるものです。 国家のイデオロギー装置この文献のフレームは、アルチュセールの「国家のイデオロギー装置」の概念を用いています。「国家のイデオロギー装置」とは、国家が庶民を支配するために、人々が自分から国の言うことを聞くように仕向ける機関のことで、こ
核抑止論にこれほど焦点が当たった原爆の日はかつてなかったのではないか。広島市の平和記念式典で、松井一実市長と広島県の湯崎英彦知事が相次いで、核に核で対抗する安全保障政策のリスクを指摘し、そこからの脱却を世界のリーダーに訴えた。 5月に開かれた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)でまとめた核軍縮文書「広島ビジョン」が背景にある。「核兵器のない世界」を究極の目標としながら、核抑止を肯定する記述が盛り込まれ、批判を浴びた。 松井市長の平和宣言は、「核による威嚇」を繰り返す為政者がいる現実を踏まえ、「核抑止論は破綻している」と強調したのが最大のポイントだろう。 「核兵器が存在する限り防衛目的の役割を果たす」と記した広島ビジョンに反論する文脈と言っていい。平和宣言で核抑止論をこれほど明確に否定したのは異例だ。被爆者や市民団体からの要望を受けて盛り込んだ。 もっと踏み込んだのは、湯崎知事である。こち
世界ではいま、日本文学が注目されている。特に翻訳された海外小説の売り上げが急速に伸びている英国では、その販売数の4分の1を日本の小説が占める。なぜそれほど人気が出たのか、英紙「ガーディアン」がその理由に迫った。 英国で人気が高まる「翻訳小説」 2023年5月、英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳部門にあたる「ブッカー国際賞」の授賞式が開催された。そのとき、主催者からある数字が発表され、会場はざわついた。書籍バイヤーに対する調査によると、翻訳した海外文学の売り上げは2022年、前年比で22%増加したという。 特に、そのほぼ半分を購入したのは、35歳以下の読者だった。この年代層の読者が購入するフィクションの31%以上を翻訳小説が占めており、この数字は伸び続けている。 翻訳小説の未来は明るい。いくつかの出版社の本は「文化的なアクセサリー」として捉えられるようになっている。それほどクールな存在になった
85年の歴史をもつ「新書」。しかし、「新書」にあたる英語やフランス語はない。この特殊な存在に興味を持ち、現在、フランスで博士論文を執筆中の著者によるシン・シンショ論。 トッド氏も使う「シンショ」という日本語 フランスの歴史人口学者のエマニュエル・トッド氏と話をしていたときのことだ。とある著書の日本語版について「これは日本では『シンショ』で出たんだ」と言うので驚いたことがある。「シンショ」つまり「新書」のことだ。まさか「新書」という日本語をそのまま使うとは思っていなかった。 それ以降、私自身も何冊かトッド氏の著作の翻訳や通訳に携わってきたのだが、「今度の本は『シンショ』で出ますよ」とそのまま日本語で説明をするようになった。フランス語には「文庫」という単語はあるが、トッド氏があえて「シンショ」と言ったのは同じようなものがフランスには存在しないからなのだ。 また、個人的に関わった新書が韓国語に翻
これー!正直ここまで美味しくできると思わんかった!レンジとは全然違う食感。脂身トロトロ!自宅で作ったと思われへん 冷凍庫でガチガチに眠った豚肩ロースをそのまま炊飯器にゴン‼️水を注ぎアルミ箔をかぶせ(掃除が多少楽になります)炊飯… https://t.co/ojzFr7Lg3D
日本赤十字社(日赤)は8月24日、「関東大震災100年プロジェクト」の一部として計画していた、生成AIを使った企画展示とWebサイトへの掲載を取りやめると発表した。「本来の意図が伝わらず一部で誤解を招いた」としている。 取りやめるのは、東京都支部が企画した「100年前の100人の“新”証言 ~データとAIで紐解く、あの日に起きたこと。」。東京都支部の1階エントランスの壁に飾られている、関東大震災当時の赤十字の救護活動を伝える絵に描かれた避難民たちをモチーフにした。 ChatGPTをベースとするLLMに当時の文献60万字以上の情報を読み込ませ、震災発生当日に起こったことを被災者が語るショートストーリーを作成した。100人のうち20人については人物画像もAIで生成した。 しかし企画内容が報じられると、SNSを中心に「証言を生成はない」「AIねつ造」「冒涜では?」など批判的な声が多く上がった。中
創業80年あまりの歴史を持つ老舗出版社、「筑摩書房」(東京都台東区)がこれまでに刊行した書籍類は延べ2万点超。そのほぼ全てを収蔵する市立図書館が長野県内にある。史料価値の高い貴重な絶版本も多数収蔵され、多くの研究者や愛好家が訪れる。人口7万人弱の地方都市の公立図書館に、なぜこれほどのコレクションが集まっているのか。 「人間失格」の初版も閉架で収蔵 長野県中部に位置する塩尻市の市立図書館は、延べ2万点を超える筑摩書房の刊行物のうち1万9735点を収蔵する。筑摩書房が得意としてきた文庫や新書、文学全集などは実際に手に取ることができる開架図書として、広く市民らに貸し出されている。 筑摩書房によって1946年に創刊され、一時の休刊を経て78年まで刊行された雑誌「展望」をはじめ、史料としての価値も高い絶版本などは閉架で保管する。希望者は閲覧が可能だが、本によっては閲覧に職員の立ち会いが必要だ。 「展
今よりもうちょっとだけ頑張りたいライブラリアンの皆さんに、「明るく楽しく前向きに」なってもらえるよう、応援するブログです。 井上昌彦@空手家図書館員は、このブログを通じマイ・ビジョン「情報のチカラで、世界をもっと幸せにする!」の実現を目指しています。 (旧「空手家小学生の闘病記」も収録。10万人に一人の小児脳腫瘍と明るく強く闘った、最愛の娘・れいこと井上家の闘病記)
選択的夫婦別姓や同性婚の実現を目指す当事者の団体が、両制度の法制化推進などを求める要望書を京都府に提出した。市民の声や地方議会の場で両制度…
選択的夫婦別姓や同性婚の実現を目指す当事者の団体が、両制度の法制化推進などを求める要望書を京都府に提出した。市民の声や地方議会の場で両制度…
10の学部を持つ総合大学・千葉大学。広大な5つのキャンパスにはさまざまな研究・教育のための施設がありますが、中でも特徴的なのが西千葉、亥鼻と松戸キャンパスにある「図書館」。特に西千葉と松戸キャンパスの図書館は、ただの図書館ではありません。静かに本を読むエリアだけでなく、議論や発表ができるスペースなど多様な学習(修)環境に加え、デジタルコンテンツも豊富に備え、学びへの人的サポートなども充実した新しい形の大学図書館を表現する施設、それが「千葉大学 アカデミック・リンク・センター」です。同センターの特徴、そしてこれからの大学図書館はどうあるべきか、センター長を務める竹内比呂也先生にお話を伺いました。 「図書館」をキーワードに、教育のアップデートに挑む ―千葉大学での役職・仕事について教えてください。 現在、教育改革と学修支援を担当する副学長、附属図書館長、アカデミック・リンク・センター長などを兼
前回は千葉大学 アカデミック・リンク・センター長の竹内比呂也先生に大学図書館の役割について解説していただきました。今回は引き続き竹内先生に、アカデミック・リンク・センターがどのような構想で設立されたのか、図書館機能にとどまらないさまざまなアクティビティ、そしてこれから目指す姿などについてご紹介いただきます。 アカデミック・リンク・センターのコンセプトは「考える学生の創造」 ―「アカデミック・リンク・センター」のコンセプトについて教えてください。 アカデミック・リンク・センターは、発足当初「考える学生の創造」によって千葉大学の教育を改革することを目標としていました。具体的には自分が勉強したいことを自ら発見し、主体的に学ぶ学生を増やしていくことです。受け身で授業を聞いてそこそこ真面目に勉強して、必要な単位をとって、社会に出てしまえば大学の専門とはあまり関係ない仕事をして…という状況が続くようで
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