放送コードぎりぎりの笑い(という名の狂気?)でお茶の間の視聴者を戦慄させる鳥居みゆき。マジなのかネタなのかメタなのか判別しないその独自の世界観は、全国デビューから約10年が経ったいまも他の追随を許さず、演劇、ドラマ、小説、絵本と、多種多彩なジャンルへ活動の場を侵食し続けている。 そんな鳥居が、東京都写真美術館で開催中の『内藤正敏 異界出現』展に降臨した。青森県恐山のイタコ、1970~80年代の東京の闇、東北に伝わる山岳信仰、そして顕微鏡で覗くことのできるミクロの世界。日常の向こう側にある「異界」とカメラを通じて交信するような内藤の作品は、これまでその全貌を広く知られる機会をほとんど持たなかった。 そんなミステリアスな世界と、現代の巫女とも呼ぶべき鳥居みゆきの遭遇は、どんな反応となって現れるのだろうか? 誰も予想できない展覧会ツアーの幕が上がる……。 蝶々はパッと見るだけだと美しいけど、胴体