東北地方などで早場米の刈りとりが始まり、収穫の秋が目前となってきた。 農林水産省は8月30日、2012年産米の作柄・生育状況(8月15日現在)を発表し、40都道府県で「平年並み」以上の作柄となる見通しだ。 一方市場では、伝統ブランドのササニシキが消えゆく中、新たな銘柄米が台頭するなど、競争が激しくなっている。 ■20位前後 かつてコシヒカリと並ぶコメの横綱級ブランドだったササニシキだが、今やその存在は風前のともしびだ。1993年の冷害で作付け農家が激減したため、最近では銘柄別ランキングで20位前後と低迷し、都会のスーパーなどでは消費者がほとんど目にしなくなっている。 宮城県石巻市の高橋長市さん(62)は、長年ササニシキだけを生産していたが、93年の大凶作が転機となり、作付けの多くを「ひとめぼれ」に転換した。「通常、10アールあたり8~9俵(1俵=60キロ)収穫できるのに、2~3俵だった」と