『かぐや姫の物語』を観た。強い衝撃を受けた。昔話のあらすじそのままでありながら、昔話ではなかった。これは、あきらかに現代を生きる女の話だった。震えた。 思春期を迎える頃に、かぐや姫は生まれ育った山を離れ、都へと連れていかれる。この時点でいくつかの喪失がある。子供時代の喪失。野山を駆け巡る生活の喪失。遊び仲間の喪失。姫は、このときまだ自分が何を失ったのか理解していないが、「子供時代の喪失」は、女にとって、人間性を一度失うことと同じである。女にとって、大人になるということは、ただ子供から大人になるということではない。大人ではなく、「女」になれ、という周囲からの強制が必ず働く。ただ自分の意志で好きなことをし、気持ちをそのままに表現できた子供時代を失い、人目を気にして誰から見られても恥ずかしくない「女」になれと強いられるのは、自分自身を捨てろと言われているのに等しい。都に移り住んだ姫は、走り回るこ
前回までのあらすじ 細谷真理は、上海のリンダのもとで英語とビジネスの特訓を受けていた。投資銀行で勤めるジェームスは、成長した真理に目を見張った。 団達也は恩師、宇佐見の友人だったイスタンブールのサーディを訪ね、自分がこれからどんな事業をすべきなのか、世界経済、そして日本経済は今後、どんな問題を抱えることになるのかについて語り合った。 この対話を経て、達也は自分が取り組むべき課題は、新しいエネルギーの開発に携わることだと気づいた。 日本では日豊自動車の粉飾決算が明るみに出て、社長の湯浅は解任された。その後、湯浅は社長に復帰し、会社の再建に臨んでいた。湯浅は、会計士の西郷と面談を重ね、経営改革のプランを考えていた。 西郷の事務所 新年を迎えて早くも3週間が過ぎた。顧客とのアポイントメントがキャンセルとなった連絡を受けた湯浅は、運転手に豊橋に向かうよう命じた。西郷は気が置けない仲間だと、湯浅は勝
前回までのあらすじ 団達也は恩師、宇佐見の友人だったイスタンブールのサーディを訪ね、自分がこれからどんな事業をすべきなのか、世界経済、そして日本経済は今後、どんな問題を抱えることになるのかについて語り合っていた。 MTCで働いていた金子順平は、タイのソムチャイの工場へ行ったが、洪水の影響でマレーシアのタンの会社に移らざるを得なくなった。タンの実家では、沢口萌が家族と一緒に暮らしていた。タンは萌に、金子の研究を支えてほしいと言った。 細谷真理は、上海のリンダのもとで英語とビジネスの特訓を受けていた。 日本では日豊自動車の粉飾決算が明るみに出て、社長の湯浅は解任された。その後、湯浅は社長に復帰。調査委員会の報告書も公にされた。湯浅は、会計士の西郷と面談を重ね、会社の不正を見抜くことになった。 西郷は、監査役が本来の役割を果たすどころか、不正に荷担していたことを知り、無力感に襲われていた。 萌と
書くべきかどうか散々悩んだ結果、やはり書くことにします。私がANAの国際線の客室乗務員(CA)として勤務している時に感じていた、JALとANAの“違い”についてである。 迷った理由は、二つ。一つは、私が勤務していたのは4年間だけだったということ。二つ目に、CAは専門職であってその限られた空間での出来事に基づく考察であり、しかもJALについては、“きっと”や“らしい”という憶測情報も含まれているからである。 だが少し見方を変えて考えてみると、現場で実際に“感じたこと” は研究材料としては至極好材料であり、私が感じたことを企業研究に置き換えてみれば4年間は十分過ぎる期間でもある。しかも、ANAという会社にもJALという会社にも、さほど強い思い込みを抱いていない、キャリア志向が高くもないイチCAの“感じた”出来事にはあまりバイアスがかかっていない。 そこで、あくまでもANAで実際にあった出来事を
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