2年ぶりにリリースされた長期サポート版の「Ubuntu 22.04 LTS」は、旧版の「Ubuntu 20.04 LTS」から大幅にバージョンアップされました。アプリケーションが置き換えられて、操作性が大きく変わったものもあります。Part1では、Ubuntu 22.04 LTSで新しくなった機能などを紹介します。 「Ubuntu 22.04 LTS」は、2022年4月21日(日本時間の22日午前2時頃)にリリースされました。コードネームは「Jammy Jellyfish」(邪魔にならないクラゲ)で、壁紙にも描かれています(図1)。 LTS(長期サポート)版のため、サポート期間は2027年までの5年間です。「ESM」(Extended Security Maintenance、個人使用は最大3台まで無料)を有効にすると、さらに5年間延長されます。初期カーネルのバージョンは、リリース時点でも
Linux Daily Topics 2021年10月13日Snapにもっと自由を ―Ubuntu開発者によるSnapサーバのオープンソースオルタナティブ aptに代わるユニバーサルパッケージマネージャして、Ubuntu/Canonicalが数年前から強力に推進してきた「Snap」、まもなくリリースされる「Ubuntu 21.10」でもFirefoxなど主要なアプリケーションがSnapパッケージで提供される予定となっている。 だが同じユニバーサルパッケージマネージャのFlatpakがさまざまなリサードパーティのポジトリを利用できるのに対し、SnapがサポートするリポジトリはCanonicalが運営する「Snap Store」のみである。リポジトリの自由度はFlatpakに比べてかなり低く、またSnapへのCanonicalの影響が強すぎることを嫌ってSnapから距離を置く開発者も少なく
Ubuntu Weekly Topics 2021年10月1日号impishのFinal BetaとTesting Week(といろいろなバグ)、シェルスクリプトをsnapパッケージにする方法 impishのFinal BetaとTesting Week impishのbetaは無事にリリースされ、Testing Weekと呼ばれる、バグの確認のための週が終わりつつあります。 現時点ではDistUpgradeViewNonInteractiveがInteractiveに動作してしまっていたり、Electronアプリケーションが動かなかったり、特定の環境ではGDM3がクラッシュしていたり、Lubuntuのインストールボタンのキャプションが『21.04』になっていたり、Raspberry PiのデスクトップイメージではHDMI出力が行われなかったり(デスクトップが表示できないデスクトップイメー
第679回ではLXD/VMの上にWindows 10をインストールしました。そのWindowsにおいて、本連載の読者層の多くがインストールしたくなるキラーアプリで、さらにUbuntuでは使えないアプリと言えばなんでしょう。そう、WSL(Windows Subsystem for Linux)ですね。 今回は家でも仕事場でもWindowsマシンが存在しないが故に、タイムラインのWSL談義にまったくついていけない人に向けて、LXDコンテナ上のWindowsでWSL2を楽しむ方法をお伝えします。 その行為に意味はあるのか 第679回の話をまとめると次のとおりです。 LXDは3.9から仮想マシンインスタンスに対応した[1] LXDは4.7から簡単にVGAコンソールを表示できるようになった distrobuilderを使えばLXD用のWindowsインストーラーを簡単に作れる これらを組み合わせると
Ubuntu Weekly Topics 2021年8月13日号20.04.3の延期、impishの開発・Test Rebuild 20.04.3の延期 先週お知らせした20.04.3の準備は、shimに関連する一部の環境でのブート不能問題[1]が発見されたため、8月26日に延期されることになりました。進捗についてはDiscourse上のトラッキングページで確認できます。 impishの開発 impishの開発ではtest rebuildが開始され、GCC11 + glibc 2.34環境での問題の叩き出しが始まりました。若干変則的ですが、glibcだけはこの時点ではリリースポケットに入れず、先行してアーカイブ全体のビルドをテストするアプローチが採られています[2]。 結果としては致命的な問題は特に見つからず(むしろ想像されていたよりもよほど良好で)、glibc 2.34が通常のアー
リモートワーク時代の三種の神器のひとつがリモートミーティング用のWebカメラです。今回はWebカメラとしてスマートフォンを使ってみましょう。 スマートフォンをWebカメラ化する「DroidCam」 リモートワークでは個々の勤務地が物理的に離れたところになるため、どのようにコミュニケーションを取るかが重要な要素となってきます。とは言え、ネットワーク越しのコミュニケーションはパソコン通信・インターネットの世界においては当然のごとく行われてきました。 電子メールや電子掲示板など文字中心のやりとりも、チャット[1]やインスタントメッセンジャー[2]のようにリアルタイム性の高いもの、各種SNS[3]やアバター・音声・動画[4]による通話などが登場します。インターネットの普及と回線の増強に伴い、できるだけリアルタイムに、声や顔も見える形のコミュニケーション手段が充実していったのです。 どの手段も「メイ
今回はパッケージの日々のアップデートと、Ubuntuまるごとのアップグレードを制御する方法を紹介します。 アップデートとアップグレード Ubuntuは最新版のリリース時から(場合によってはリリース前から)パッケージのアップデートを提供しています。アップデートの理由は不具合修正や脆弱性の修正が主ではありますが、Firefoxなどアップストリームによるリリースがあったのでこれに追随するからというものもあります。 理由はさておき、パッケージのアップデートがリリースされた場合、デフォルトの設定では定期的にリポジトリ情報を更新し(換言するとapt updateを自動実行し)、セキュリティアップデートの場合は即座に適用します。そうではない場合、1週間毎にアップデートがあることを告知します。 最新バージョンのUbuntuがリリースされた場合、通常リリース(中間リリース)の場合はアップグレードが促され
Ubuntu Pro for Google Cloud Ubuntu ProがGoogle Cloudにもやってきました[1]。Ubuntu Proは「クラウド環境向けのスペシャル版Ubuntu + Ubuntu Advantage + α」とでもいうべきカスタムイメージで、ESMによる+5年間(16.04 LTSには+3年間)のセキュリティアップデートと、クラウド上で要求される特定のワークロード(たとえばKafkaやMongoDB、RabbitMQ、Redis、NodeJS等)向けのmain同等のソフトウェア更新[2]が提供されるものです。 その分、素のUbuntuイメージに比べるとプレミアム価格がかかるものの、いわゆる「本番」ワークロードの場合は利用を検討する価値があるでしょう。このリリースにより、AWSでも、Azureでも、Google CloudでもUbuntu Proを利用でき
今回はWarpinatorで簡単にLAN内のPC間でファイルやフォルダーを転送する方法を紹介します。 LAN内のファイル転送に便利なWarpinator 複数のPCを使用している際、懸念事項はいろいろとありますが、ファイルやフォルダーの転送をどうするのかというのは悩みのひとつです。NASを置いてそこを経由するという解決方法がもっともシンプルですが、どうしても手数が多くなります。仮想PCの場合は仮想PCの機能を使用すればもう少し楽になりますが、例えばVirtualBoxの場合はGuest Additionsが必須など、事前準備が必要になります。 なるべく事前準備を少なく、なるべく手数を少なくしてPC間で直接ファイルを転送する方法はないかと調査してみたところ、その手のソフトウェアはいろいろとあるものの死屍累々でした。結局はLinux MintがメンテナンスしているLAN内のPC間でファイルを転
先日リリースされたUbuntu 21.04では、長年の懸案だった「Waylandセッションのデフォルト化」が再度実施されました。今後2022年4月にリリースされる予定のUbuntu 22.04 LTSに向けて、さまざまな問題を洗い出し、対応を行っていくことになります。今回はそんなWayland環境で「X転送 over SSH」っぽいことを実現してみましょう。 Waylandセッションになったということ Waylandとは2008年に登場したの次世代ディスプレイサーバーです。もともとは、X.Orgの開発者でもあったKristian Høgsbergが最小のディスプレイサーバーとウィンドウコンポジッターを組み合わせたものとして個人的に作成していたソフトウェアでした。その後、X.Orgの開発者たちがX Window System/X.Orgを置き換える次世代のディスプレイサーバーとして開発に参加
第656回ではChromeベースのEPUBリーダーをsnapパッケージ化してみました。今回はsnapパッケージ作成における最大のハードルと言える「strict confinement」の対応を行いましょう。ここまで対応できれば、「snapパッケージ完全に理解した」と言えますし、Snap Storeにも公開できるようになります[1]。 snapパッケージにおけるセキュリティモデル snapパッケージではアプリケーションを「コンテナ化」することで、ホストシステムから隔離した環境で実行できる仕組みを構築しています。その「コンテナ化」を実現するために、次のような機能を利用しています。 古くから存在するディレクトリのパーミッションなどの任意アクセス制御(DAC:Discretionary Access Controls) AppArmorを活用した強制アクセス制御(MAC:Mandatory A
プレゼンテーションツールと言えばImpress・PowerPoint・Keynoteが一般的ですが、編集ツールが事実上決め打ちになってしまいます。しかしながら、どうせなら好みのテキストエディターでプレゼンテーション資料も編集したいという特殊な性癖を持っている人も多いでしょう。そんな人におすすめするのがLaTeXで資料を作成できるBeamerです。今回はBeamerで作った「コメントノート付きのPDF」を用意し、マルチディスプレイで表示する際に便利な「Pympress」を紹介します。 Pyhton/GTK製のPDFプレゼンテーションツール「Pympress」 Pympress自身はPython/GTKで作られた、PDFプレゼンテーションツールです。 聴講者用・発表者用の2種類のウィンドウ タッチディスプレイ用のボタン ソフトウェアポインター 資料画面への書き込み 経過時間・残り時間 PDFの
今回は第208回以来約8年ぶりに、X Window Systemで動作するRDP(Remote Desktop Protocol)サーバーである、xrdpを使用する方法を紹介します。 Ubuntuとxrdp xrdpをめぐる状況は、第208回で紹介したときとはずいぶんと変わっています。 第549回で少し取り上げましたが、Hyper-Vクイック作成でインストールできるUbuntuにはすでにxrdpがインストールされており、拡張セッション機能を提供する役割を担っています。 もちろんxrdpはHyper-V専用ではありません。Hyper-Vクイック作成を使用しないでUbuntuをインストールした場合は、linux-vm-toolsにあるシェルスクリプトを実行すれば拡張セッションを有効にできます。よって、このシェルスクリプトを参考にすればHyper-V環境下でなくてもいい感じにxrdpが使用できる
Ubuntu Weekly Topics 2020年5月22日号WSL2の新機能と今後、新しい姿のLinuxデスクトッププラットフォーム WSL2の新機能と今後、新しい姿のLinuxデスクトッププラットフォーム Microsoft Build 2020において、WSLに関わるいくつかの新機能がお披露目されました。 Windows 10 2020 May Update(あるいは「Windows 10 Ver.2004」)におけるWSL2の紹介や、WSL2用のLinux Kernelの話題だけかと思いきや、多くの「隠し球」が提供される展開となっています。発表されたものを順不同に見ていきましょう。 まず、もっとも大きな発表が『WSL2向けのDirectX』の発表です。テクノロジースタックとしてはこれは、以下のものから構成されています。 WDDMドライバで動作するGPUを、Linuxゲストに対
Ubuntu Weekly Topics 2020年5月15日号Ubuntu 20.04 LTS 日本語 Remixのリリース、“Ubuntu Pro for Azure”、『Ubuntu Core用』カーネルフレーバー Ubuntu 20.04 LTS 日本語 Remixのリリース Ubuntu Japanese Teamは、5月9日(土)にUbuntu 20.04 LTS 日本語 Remixをリリースしました。ダウンロードページから入手できます[1]。ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。 “Ubuntu Pro for Azure” Ubuntu Proに新しい対応プラットフォームが追加されています。(2月時点でおおむね予測された通り)“Ubuntu Pro for Azure”としてリリースされたこのプロダクトを用いることで、Azure上で10年サポートが提供さ
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