Jリーグは今年、発足から30周年を迎えた。2021年度の営業収益は1240億円で、8年で2倍以上に増えている。その立役者が、2014年にチェアマンに就任し、4期8年務めた村井満さんだ。任期最終年の2021年には、毎週1枚の色紙を用意して、朝礼を開いた。34節34枚の色紙の狙いを、ジャーナリストの大西康之さんが聞く――。(第1回) プロにならなくても、サッカーが大好きだった ——第1回の色紙は「始動力」。文字通り解釈すれば「始める力」ですね。なぜJリーグチェアマン最後の1年に朝会を始めようと思われたのか。もっと遡れば、そもそもリクルートの役員だった村井さんがなぜJリーグのチェアマンになったのか。この辺りからお話を聞かせてください。 【村井】まあ話せば長い、ということになるのですが。私、埼玉県川越市出身で県立浦和高校のサッカー部でした。ポジションはゴールキーパーです。県大会でベスト4、ベスト8