子どもたちが使った「あいうえおの本」や五十音表では「ち」の用例として「チョコレート」「チョウチョ」「チューリップ」が出ていた。言葉の発達が遅かった三女は「ち」の例にチョウチョというのが理解できなかったようだ。文字を読まず、音を聞いていると、「ち」と「ちょ」「ちゅ」は慥かに全く違う。「ちょ」は「ち」と小さな「よ」の組み合わせで表現しようというルールが決められているだけで、そのルールを意に介さない子どもに「ち」の用例としてチョコレートやチョウチョやチューリップを押しつけるのは間違っている。子どもは間違いに気付き、大人は気付かない。 岩崎書店の五味太郎監修の五十音表は「ち」の用例として「ち」が挙げられており、五味氏は手に血が滲んでいるイラストを添えていた。