チェック模様の登山シャツ。登山ズボンに登山靴。リュックからピッケルが覗(のぞ)く。 JR青梅駅で奥多摩行き電車に乗り換えると、今までどこにいたのか、車内は中高年のハイカーたちでにぎわっていた。Tシャツにジーンズ姿の僕が浮き上がってしまうほど、乗客はハイカー一色。奥多摩に行く人々の目的は、とにかく山歩きなのである。 さて「東京onedayスキマ旅」、初回は僕の家から自転車で10分の「鳩の街」を歩いたのだが、ちょいと自分の家から近すぎたので、今回は思いっきり遠くに行こうと思った。遠くへ、もっと遠くへ……気づいたら奥多摩を目指していた。東京駅から奥多摩まで、電車で2時間以上、新幹線なら京都に着いてしまう。それほど奥多摩は遠いのである。 遠いけど、こんなにハイカーが多いとは。奥多摩は日帰りハイキングのメッカであり、このまま一緒に山を歩いても「スキマ旅」にならない。奥多摩駅では降りるけど、意地でも山