これは「FOLIO Advent Calendar 2023」6日目の記事です。 ニューラルネットワークで取り扱う数値を実数とは異なる数に拡張することは、機械学習や計算科学の発展における魅力的な課題の一つです。実数を用いた数値表現は多くのタスクにおいて十分な結果をもたらしてきましたが、新たな数値体系を導入することで、今までとは異なる問題が解決できるようになったり実数では見られなかった新たな現象が起こる可能性に期待することができるでしょう。例えば数値が取れる値を±1に制限したBinalized Neural Networksはハードウェアとの相性が良くメモリ効率の良い実装が可能であったり、拡大実数\bar{\mathbb R}={\mathbb R}\cup\{-\infty,\infty\}を用いた5層のReLUネットワークには任意の深さのReLUネットワークを埋め込むことができたりします