米国のジョー・バイデン大統領は5月16日、連邦議会が可決した、東南アジア4カ国からの太陽光発電関連製品輸入への関税免除措置を撤廃する両院共同決議(H.J.Res.39)に拒否権を発動した。 本件は、バイデン大統領が2022年6月に、国内での太陽光発電関連製品の供給不足に対して緊急事態を宣言し、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム4カ国からの同製品への関税を2年間免除するとした措置が発端となっている(2022年6月7日記事参照)。議会が同措置を撤廃しようと動いた背景には、中国からの安価な製品がアンチダンピング税(AD)・補助金相殺関税(CVD)を迂回する目的で、東南アジア4カ国を通じて米国へ輸入されているとの懸念がある。実際、米国商務省は2022年3月に、議会が懸念するルートでAD・CVDを迂回する輸入が行われているかについての調査を開始し、12月には迂回輸入ありとの予備的判定を下している
