量子力学の摂動論では相互作用項を含まない自由ハミルトニアンの固有状態を初期状態にしてその時間発展を求めるため、相互作用を通じて自由ハミルトニアンが保存しない中間状態にも遷移可能である(不確定性原理参照)。場の量子論 (QFT) ではそのような中間状態が無限にある。中間状態に存在可能な運動量を積分すると特定の過程に関して運動量や質量、結合定数に関する発散が発生する。しかし実際の物理現象はこのような発散を示さず、量子補正に現れる発散は非物理的であると理解されるべきである。 簡単な例としてスカラー4点理論の、次元正則化法における2点間数の1-loop補正は と書ける。ここで はスカラー場の外線運動量、 はオイラー定数、 はスカラー場の質量、 は次元正則化においてdの4次元極限で0となる量、ここでは であり、括弧内の末項は4次元極限で消滅する の一次以上の項である。 は後述するくりこみスケールであ