睡眠中に舌が沈下することで気道が塞がり、呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)が「医療費の無駄。医者と医療機器会社のボロ儲けだ」という指摘が患者の間から漏れている。潜在的な患者は約260万人(人口の約2%)とされ、現在も約15万人が治療を受けるSASだが、保険診療で月々5000円もかかるという患者負担の詳細を取材すると、確かに無駄といわざるを得ない実態が明らかとなった。 「単なるイビキ」と軽視されがちのSAS。だが治療せずに放置すると、心筋梗塞などの突然死を招くリスクが高くなることは医学的に証明されている。さらに無呼吸による酸素欠乏は一時的な意識の喪失に近い眠気を催し、大惨事を引き起こすこともある。 2012年4月、群馬県藤岡市の関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突し、乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負った事故で自動車運転過失致死傷罪に問われた運転手は、裁判で「事故後にSASと診断