咽頭(いんとう)がんの入院治療を受けていた山形県酒田市の本間正巳市長(67)が25日、公務に復帰した。手術で声帯を切除したが、喉に電気式人工咽頭(人工声帯)を当て記者会見。電子音の声で「全国で例のない『声のない市長』だと思う。同じ障害のある人が私の姿を見て希望を持つようであれば、望外の喜び」と語った。 本間市長は元県総務部長で、2012年10月の市長選で初当選。昨年9月に狭心症による心臓バイパス手術、今年3月に気管支炎の静養のため一時入院したが、咽頭がんが判明し、5月に再入院した。9月の退院後、自宅で通院しながら発声などのリハビリに励んだ。 本間市長は会見で「こんな市長でいいのか、という思いはある」と自省しつつも、「初当選から2年もたたないうちに病気になった。こんな短期間で辞めるわけにはいかない。市民のため、できるところまでやろうと復帰を決意した」と話した。【高橋不二彦】