製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の効果を5大学が調べた臨床研究をめぐり、千葉大の調査委員会は25日、研究にデータ改ざんがあった可能性を否定できないとする報告書を公表した。論文について「科学的根拠が乏しい」と評価し、心臓と腎臓を保護する効果が別の薬より高いとした結論も不適切と判断、研究チームに取り下げを勧告する。 千葉大は昨年12月、「データの食い違いはあるが操作された証拠はなく、入力ミスと思われる」と中間発表したが、検証を依頼していた第三者機関から多くのデータが食い違うとの報告を受け、修正した。 同社社員(退職)の関与について、中間発表は助言程度としていたが、報告書では「データを入手して解析した可能性が高い」と言及した。論文を執筆した医師が証言を変えたという。 調査委によると、論文はディオバンを「心臓の状態など4項目を改善する効果が高い」としていたが、第三者機