海外でも熱狂的なファンを持つ井口昇監督。 最新作『電人ザボーガー』は挫折感を抱えた 男たちが、愛する者を守るために再び立ち 上がる感動作だ。 「今回はボクにとって通過儀礼となる作品なんです」。日本が世界に誇る”奇才”井口昇はそう言った。また、責任という言葉を何度か口にした。これまで『クルシメさん』(98)、『片腕マシンガール』(07)、『ロボゲイシャ』(09)などの井口監督ならではの天衣無縫な演出を楽しんできたファンにとっては「おやおや」と驚く言葉ではないか。製作費3億円を投じたことでも話題となった井口監督史上最大のSF大作『電人ザボーガー』がいよいよ公開される。主演の板尾創路をはじめ、キャストも今までの井口作品に比べちょっぴりメジャー寄りの人たちが並ぶ。でも、心配はご無用。これまで以上の過激さに笑えて、でもホロリとさせられ、最後には爽快感が残る快作に仕上がっているのだ。「ザボーガーって何