神山健治監督の最新作「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」が、2017年3月18日より公開される。監督作品としては、「009 RE:CYBORG」(2012年)以来、実に5年ぶりの新作だ。「ひるね姫」の主人公は女子高生。舞台は3年後の日本で、変形ロボも出てくる。これまでの社会派ドラマとは一線を画す内容だが、そこへたどり着くまでには、みずからがアニメをつくる意味を問い直す苦難の道を、くぐり抜けねばならなかったという。 制作会社シグナル・エムディで仕上げ作業に追われる神山監督に、「ひるね姫」にいたる道のりを振り返ってもらった。 アニメ監督として、本当に人の役に立てているのだろうか? ──神山監督は、以前から、ご自分を「頼まれもせずに世界を救う男」とおっしゃっていました。新作の「ひるね姫」は、その路線から外れているように見えます。「世界を救う男」シリーズは中断なのでしょうか? 神山 いえ、そうい