神経膠腫(こうしゅ)(グリオーマ)は、原発性脳腫瘍のおよそ4分の1を占め、代表的な悪性脳腫瘍です。神経膠腫は悪性度に従って4段階に分けられ、悪性度の高い2つの段階のもの(悪性度3と4)を悪性神経膠腫と呼びます。神経膠腫の中で最も頻度が高く、また最も悪性度の高いのが膠芽腫(グリオブラストーマ)です。手術をしてから放射線治療と化学療法を行っても、生存期間中央値(いわゆる平均余命)は診断から18カ月、5年生存率は10%程度で、治癒は極めて困難とされます。特に、最初の手術で全摘出できず放射線治療後にも腫瘍が残っている場合や再発した場合は、進行が早く有効な手段もないことから、G47∆のような、全く新しい機序による治療手段の開発が待ち望まれています。 がんのウイルス療法とは、がん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ、ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です。ウイルス療法では、遺伝子工学技術