皆を守るために犠牲になってくれ──。敗戦直後の満州で、ソ連兵への「接待」を名目に行われた女性への性暴力。その被害者を取材した『ソ連兵へ差し出された娘たち』(平井美帆・著)が「第19回 集英社 開高健ノンフィクション賞」を受賞しました。選考委員の一人、法政大学名誉教授の田中優子さんは「昔の出来事ではなく、いまの問題として向き合わなくてはいけない」と語ります。若い世代にこそ読んでほしい、と言う田中さんと学生が意見を交わしました。 ■座談会のメンバー(敬称略) ・田中優子 法政大学名誉教授・前総長 ・池田 颯 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科1年 ・柴 真緒 お茶の水女子大学 理学部生物学科4年 ・猪又玲衣 津田塾大学 学芸学部国際関係学科3年 ・小林真子 慶應義塾大学 経済学部経済学科3年 いまでも戦争が勃発しかねない状況はあるし、女性の置かれている厳しい現状も目の当たりにしている。過去のこ
