在日朝鮮人60数万人,その大多数は日本語が母語であり,日常生活で用いる言語は日本語である。しかしながら,少数であるものの朝鮮語を話すことのできる在日朝鮮人がいる。それらを分類すると,おおよそ以下の二者に大別できよう。 在日1世,すなわち植民地時代に本国から渡って来た母語話者(ネーティブ・スピーカー) 日本語を母語とする在日2世以降の世代で,第二言語として朝鮮語を習得した者 上記以外にも個別的にいくつかのケースがありうるが(例えば,在日3世なのに親の仕事の事情で幼少期を韓国国内で過ごし,朝鮮語を母語とするに至った者など),どちらかというとそれらは特殊なケースであり,ここでは扱わない。 上記「1.」に属する人の割合は,在日1世の高齢化とともに年を追って減少している。「2.」に属する者はさらにいくつかのパターンに分けられるが,概して民族学校で朝鮮語を習得した者と,それ以外の機関あるいは独学等で朝