私の考え方は「改正貸金業法を支持する」という記事で述べたとおりで、いまも貸金業法の改正があからさまな失敗だったという判断に与するものではない。もちろん現行の規制方法が最善だとも考えていないので、より望ましいやり方があるというのであれば、具体的に教示してほしいと思っている(先の記事の最後にもそう記した)。 消費者金融問題、とくに多重債務問題の背景にあるより本質的な問題は、低所得者問題あるいは貧困問題である。したがって、後者の貧困問題が未解決のままである限りは、金融制度だけをいくらうまく設計しても、何らかの弊害や欠陥は残らざるを得ない。こうした冷徹な認識は、議論の前提だと思う。「弱者が救われていない」というだけの批判は、この前提認識を欠いている。もし貸金業法を改正するだけで弱者の救済が可能だと思っているとすれば、お目出度いとしかいいようがない。 金融を論じる際に最も重要だといってよい区別は、l