公的年金運用目標、3つの問題点本連載でも何度か書いてきたように、筆者は公的年金の「基本ポートフォリオ」に端的に表れる運用計画に対して批判的な見解を持っている。 基本ポートフォリオとは、2014年10月31日に日銀の追加緩和策と同日に発表された、「国内株式25%、外国株式35%、外国債券15%、国内債券35%」というGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオを指す。 そしてGPIFの基本ポートフォリオと同じ構成で定められた「モデル・ポートフォリオ」は、地方公務員共済、国家公務員共済、私学共済のいわゆる三共済に対しても、目標として参照すべき運用方針として与えられている。 この基本方針について問題だと思うポイントは主に以下の3つだ。 1.「名目賃金上昇率+1.7%」のリターンを目指せ、という厚労大臣の運用目標の与え方は、リスクを考慮せずいきなり目標リターンだけを与える形になっ
