昨日の勉強会で話題にのぼったのでまとめておきます。 ダントーの有名なアートワールド論文は、前半部分、つまり、芸術の定義にかかわる「アートワールド」概念や、芸術作品の同一性や解釈にかかわる不可識別性の議論ばかり取り上げられる印象があるけど、実は後半部分のほうがおもろいんやで、という話。 Arthur C. Danto, "The Artworld," The Journal of Philosophy 61 (1964): 571-584. 扱うのは4節です。3節までで芸術作品を可能にしているのは理論なのだーという主張をくどくどしたあとに、ダントーはそのような理論が実際に作品やその経験にどのようなしかたで関係するのかについてわりと唐突に議論しはじめます。 ダントーはまず「種類Kに関連ある述語」（K-relevant predicates）という概念を導入する。これは「Kに属する諸対象に、意味
1991年に東京・セゾン美術館、神戸・兵庫県立近代美術館で開催された展覧会のカタログです。19世紀末に到来した機械時代に同調するように近代的なポスターも誕生し、街角を彩り芸術と広告との間の関係に第1段階が画されました。本書は19世紀末を発端とする芸術運動や芸術活動と広告活動との間に育まれた豊かな創造関係の変遷や検証を促すカタログです。1990年10月から91年2月にかけてパリのポンピドゥー・センターで開催された展覧会"Art & Publicite"のなかから19世紀末から1960年代までに時代を区切り、精選したものに明治期から戦前の日本の商業ポスターなどを加えて構成されています。図版、テキストともに豊富です。 目次 芸術と広告 ジャン＝ユべール・マルタン 記号の商いについて アンヌ・バルダサリ 感覚の快楽に向って フランソワ・ブルクハルト プロローグ 1 画家かポスター・デザイナーか ア
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