せりかブログ 山田富秋著『生きられた経験の社会学――当事者性・スティグマ・歴史』 1)山田さんの研究テーマであるエスノメソドロジーが初めて書かれたのは、中沢新一さんの『チベットのモ-ツァルト』の最初の論文「孤独な鳥の条件――カスタネダ論」のなかで〈ガーフィンケルする〉という衝撃的な紹介でした。このときの印象をお聞かせ下さい。 1984年当時、社会学ではパーソンズの構造機能主義の影響が強い中で、エスノメソドロジーの解説は数えるほどしかなかったことを思い出します。その紹介の仕方も、グルドナーやシンボリック相互作用論など、アンチパーソンズ一派のひとつといった、おおざっぱなものでした。その中で、ニューアカデミズム(ニューアカ)の旗手の一人である中沢新一さんがエスノメソドロジーの創始者のガーフィンケルとカスタネダを西海岸風に結びつけたことは、斬新な紹介でした。この時、せりか書房との架け橋をしていただ