「時代と無意識」+UTCP短期教育プログラム「歴史哲学の起源」の合同演習として、12月3日、大竹弘二の発表「政治神学的敵対の終焉をめぐって――カール・シュミットとハンス・ブルーメンベルク」が行われた。 大竹の発表は、『近代の正統性』の第一版(1966)の出版をきっかけに生じたシュミットとブルーメンベルクの論争を主題にし、ブルーメンベルクの錯綜した議論を慎重に解きほぐしながら、両者の論争の争点を明らかにするものだった。 大竹はまずシュミットの政治思想を普遍主義批判という観点から導入しながら、『政治神学 II』(1970)出版の経緯を、第二次世界大戦後の政治と神学の状況をシュミットがいかに解釈していたのかを背景にして説明した。シュミットの根本的立場は戦前と変わりなく、一貫して普遍主義的な進歩主義への批判であった。そのときとりわけ批判の対象となるのが、人類が次第に理想へと近づくとする進歩の歴史哲
NON RIDERE, NON LUGERE, NEQUE DETESTARI, SED INTELLIGERE ブルーメンベルクの代表作『近代の正統性』については、村上陽一郎の好意的だけれど内容のない書評以外に書評を見かけませんでしたが、まああれだけの大作ですからね・・・ というわけで、幾つか読んだ中からJean-Claude Dussaultという人の平均的な「否定的」書評を一つだけ紹介しておきます。 * 思想の発展というのは、ずいぶんと騒がしい代物である。『近代の正統性』の中で、ハンス・ブルーメンベルクは、哲学的思索の二千年の歴史を取り上げて、ヘーゲルやシュペングラーの壮大な歴史哲学的総括を思わせる一つのテーゼに押し込めてみせる。 その長い論証過程は確かに恐るべき文献渉猟に裏打ちされてはいるが、配列・構成はどことなく行き当たりばったりに思われ、あたかも本書の最終形態は、著者ではなく他
Online ISSN : 1884-3921 Print ISSN : 0549-4192 ISSN-L : 0549-4192
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