オレの母校・朝鮮高校、略して朝高(チョーゴ)。 アウトロー学生の世界では、 ー泣く子も黙る日本最強のバンカラ高校! という誉れが高かった。 かくいうオレ達自身も、 そして解放後の創立から 去年卒業していった先輩達も、 ー朝高は最強! という揺るぎない自負と矜持(きょうじ)を持っていた。 たかがケンカ、されどケンカ。 オレ達は、 「敵地・日本でのチョッパリ相手のケンカでは、 絶対、負けることは許されない!」 と固く誓っていた。 これはいわば、 ー朝高の伝統 であり、 ー朝高の美学 であり、 ー朝高生の生き様 なのだ。 オレ達は、 ありとあらゆる朝高風土を通じて ー朝高魂 を叩き込まれたのだ。 朝高は、校章が3本のペン(通称サンペン)なので あたかも進学校のようだが、現実はまったく違った。 (1の1) オレ達のことを敵意ある日本人は、 ーチョン高 と蔑称していた。 朝鮮学校の先生が言うには、