アオダイショウ 素晴らしい樹上空間利用能力を持つことは,地面を移動している彼らだけ見てもわからない。尻尾の先端の数センチ分を小枝に巻きつけると,天空に一直線に体を伸ばして樹冠に消えて行く姿を見つけたときには,まるで魔法のロープみたいだった。 他に,A級フリークライマーのごとく,尻尾を壁の隙間,一箇所に差し込んで,壁面を登ってくるヤモリを狙ったりするのを見なければ,この長細い生き物が「樹上性」というのがなかなか理解出来ない。 今の密閉性の高い家ではなく,かつての日本的な家屋などでは,やはり樹上性のクマネズミを捕食するために天井裏に入り込んだり,一定期間住人化して,タンスの中などから脱皮殻が出たりするのも,このヘビならでは。クマネズミ食いヘビの片鱗を見るということなのだが,英語名'Rat snake'は,和名のアオダイショウという言葉と乖離しているように見えるけれど,そのまんま特性を表している
