科学的な考え方を身につけるにはどうすればいいか。サイエンスライターの緑慎也さんの著書『13歳からのサイエンス』(ポプラ新書)より、蚊に刺されやすい妹のために蚊に刺されにくい方法を探究した男子高校生のエピソードを紹介する――。 研究対象は「一生に一度しか交尾をしない蚊」 米コロンビア大の学生(当時)の田上大喜さんは、コロナ禍の2020年4月に帰国。京都市の自宅からオンラインで講義を受けはじめた。 「授業は、日本時間の夜11時頃から深夜3時頃まで続きます。その後少し休んで、朝7時から昼頃まであります。午後2時から6時頃まで寝ますが、それだけでは睡眠が足りないので、夜中に仮眠を取っています」 かなりハードな生活に思えるが――。 「でも、アメリカでは自分で料理を作ったり洗濯をしたりしないといけませんが、今は親がやってくれるので、その分、楽です」 私が田上さんを取材するのは5年ぶり2回目だった。最初