人口わずか720人の集落で限られた住民しか使っていなかった方言が、全国区になった。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台、岩手県久慈(くじ)市の小袖(こそで)地区。ヒロインらが驚くときに口にする「じぇ」は若い世代が敬遠して廃れる一方だった。そんな中、降って湧いたようなブーム到来に地元は「じぇじぇじぇ」。識者は「方言復興へのきっかけ」と期待する。(五十嵐一) 【フォト】ゆるキャラ「アマリン」から見える小袖地区の海女の特徴 ◆封印を解かれて 「同じ音なのに違って聞こえた。出演者がおしゃれな感じで使うのが新鮮で、番組が始まってから気軽に使えるようになった」 こう語るのは「小袖北限の海女の会」の大向広子会長(53)。地元を離れていく若い世代が都会で恥ずかしい思いをしないように標準語に慣れさせるのが親心。「子供が小さい頃、まねしないように使うのを封印していた」と振り返る。 人気に火がついた